
トリコモナスについて感染経路や症状、治療方法などを解説。
トリコモナスとは
トリコモナス症はトリコモナスという原虫が感染して引き起こされる性病です。
トリコモナスは治療をしなければ、増殖を続け、生殖器の炎症がひどくなり、淋菌同様女性は自覚症状が無い場合が多く、重傷になる事もあり、大変注意が必要です。
膣トリコモナスは、グリコーゲンを活発に消費するため、糖・グリコーゲンが多く存在する性的に成熟した女性の膣を好んで寄生しますが、通常、女性の膣内はデーデル桿菌(膣の中に常在して乳酸を産生する良い菌)の働きにより酸性であるため、ややアルカリ側に傾く妊娠時や月経時に感染しやすいとされています。
女性は、主に膣に感染し『膣炎』を起こし、
男性は、主に尿道に感染し『尿道炎』を起こします。
トリコモナスの原因
トリコモナス原虫は酸性環境や乾燥に弱く、粘膜感染という感染経路も限られていますから、トリコモナスの感染を予防することはできます。
日常生活では性行為以外ではトリコモナスに感染する確率は低いので、性行為におけるコンドームの正しい使用は、トリコモナス感染予防にとって有効な手段です。
〔性的接触〕
トリコモナス感染者との無防備なセックスはトリコモナスに感染する可能性があります。
・コンドームを使わない性交
・オーラルセックス
・性器具の共用
〔その他の感染〕
ごくまれに、トリコモナスは乾燥には非常に弱いですが、水中では長時間感染性があるため、性交経験のない女性や幼児でも家庭内や温泉施設・プールなどでもトリコモナスに感染することがあります。
・下着
・タオル
・便器や浴槽
男性は通常トリコモナスに感染した女性からのみ感染します。
男性間の性交渉では通常は感染しないのが、他の性感染症と違う特徴です。
トリコモナスの症状
【女性の場合のトリコモナス】
・外陰部のかゆみや灼熱感
・悪臭の強い黄緑色の泡だったおりもの
・血性のおりもの
・性交時痛、性交不快感(膣炎が極端な場合)
・排尿時痛(膀胱炎などの尿路感染症を合併している場合)
トリコモナスに感染した女性の多くは、症状や徴候が現れるようです。(症状の無い人もいますが・・)
トリコモナスのおりものの症状は特徴的で、悪臭を伴う黄色膿性あるいは、白色漿液性(さらっとしている)のおりもので、泡沫を伴うのが特徴です。
しかし、トリコモナスは症状の認められない場合も多く、性病のキャリアーとなります。
【男性の場合のトリコモナス】
男性のトリコモナスの症状は、女性に比べ症状が出にくい(検出もされにくい)のが特徴です。
まれに、
・尿道から膿のような分泌液が出る
・排尿時に軽い痛み
・性器のかゆみ、灼熱感、違和感を感じる
などの、症状がでる場合もあるようですが、3週間前後で症状が消えてしまう事が多いようです。
しかし、症状がないからといって、放っておくと、トリコモナス原虫は体内に存在し続けます。
治療を受けない限り、性交渉のパートナーにトリコモナスを感染させる可能性があります。
トリコモナスの治療
【女性の場合のトリコモナス】
膣錠や軟膏による局所療法のみでは、感染病巣の広がり次第によっては膣以外の隣接臓器に寄生しているトリコモナス原虫を完全に排除できないために、十分な治療効果を示さないことがあります。このような場合には、内服薬による全身投与が有効となります。
【男性の場合のトリコモナス】
内服薬を1週間~10日服用します。 トリコモナスの治療中はアルコールの分解が阻害されるため、悪酔いやアルコール中毒症状を引き起こすことがありますので飲酒は避けましょう。また、ピンポン感染を防ぐため必ずパートナーと同時に治療しましょう。
※【重要】
パートナーのどちらかにトリコモナスの感染が認められた場合、同時に、受診・治療を行う必要があります。
パートナーと同時に治療しないと、ピンポン感染(お互いにうつしたり、うつされたりを繰り返すこと)となることが多くなります。
トリコモナスの検査
トリコモナスの検査は、ほとんどが顕微鏡で動いているトリコモナス原虫を見つけることで診断しています。
郵送検査などでは、郵送過程で死んでしまうため、ほとんど検出されません。
研究機関などでは、トリコモナスの遺伝子検査なども研究されているようですが、病院で検査する場合は、顕微鏡で検査すれば十分であることから、遺伝子の検査方法が一般化されていません。
唯一、GME医学検査研究所では、郵送検査でトリコモナスの遺伝子の検査法を取り入れています。