GME医学検査研究所

12月1日は世界エイズデー!HIV・エイズについて詳しくご紹介 | 第一回

12月1日【世界エイズデー】とは

エイズの蔓延防止と患者・感染者に対する差別・偏見の解消を目的にWHO(世界保健機関)が1988年に制定しました。
毎年12月1日を世界エイズデーと定め世界各国でエイズに関する啓発活動が行われています。
エイズデーにちなんで、今回は3つのコラムでエイズの解説をいたします。
第一回『エイズについて』、第二回『エイズの予防』、第三回『エイズの検査』。コラムを読んでエイズに関する知識を深めましょう。


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レッドリボンとは?

レッドリボンは、もともとヨーロッパに古くから伝承される風習のひとつで、病気や事故で人生を全うできなかった人々への追悼の気持ちを表すものだったと言われています。

この“レッドリボン”がエイズのために使われ始めたのは、アメリカでエイズが社会的な問題となってきた1980年代の終わりごろ。
演劇や音楽などで活動するアーティスト達にもエイズが広がり死亡者が増えていきました。そうした仲間達に対する追悼の気持ちとエイズに苦しむ人々への理解と支援の意思を示すため、“レッドリボン”をシンボルにした運動が始まったのです。

この運動は、その考えに共感した人々によって国境を越えた世界的な運動として発展し、UNAIDS(国連合同エイズ計画)のシンボルマークにも採用されています。
レッドリボンは、あなたがエイズに関して偏見をもっていない、エイズとともに生きる人々を差別しないというメッセージです。
12月1日はレッドリボンの意味を知り、身につけることによってエイズについて考える日でもあります。

エイズについて(後天性免疫不全症候群)

エイズは、HIV(ヒト免疫不全ウイルス)に感染することによっておこる病気です。
HIV感染=エイズということではありません。
HIVは白血球などに感染し、からだを病気から守っている免疫力を低下させていくのです。
HIV感染後、自覚症状のない時期が数年続き、その間に免疫力は徐々に低下。本来なら自分の力で抑えることのできる病気(日和見感染症)を発症するようになってしまいます。
このようにして、抵抗力が落ちることで発症する疾患を発症した時点で、エイズ発症と診断されます。

HIV感染から数週間以内にインフルエンザに似た症状が出ることがありますが、この症状からはHIV感染をしているかどうかはわかりません。
そのため、検査を受けることではじめて感染の有無を確認することができるのです。

HIVに感染すると、通常6~8週間経過して血液中にHIV抗体が作られはじめます。
HIV検査はその血液中の抗体を調べています。抗体が作られるまでには個人差があるので確実な検査結果を得るには感染機会から3か月経過後に検査することが必要です。

U=Uを知っていますか?

U=U(Undetectable=Untransmittable)とは、効果的な治療を受けて血液中のHIV量が検出限界値未満(Undetectable)に継続的に6か月以上抑えられているHIV陽性者からは、性行為によって他の人にHIVが感染することはない(Untransmittable)ということを表し、HIV陽性者への差別を減らすためのメッセージです。

現在はさまざまな治療薬が出ていたり、補助金制度もあります。
進行させる前に治療を開始することができればエイズ発症を抑えられ、HIVに感染していても大きな負担なく日常生活を送ることができるのです。

検査結果を怖がらずパートナーと一緒に検査をすることが大切です。

HIV感染を予防するには

12月1日は世界エイズデーです
エイズに関する知識を深め
予防をすることはもちろん
気になることがあれば検査をしてみましょう
HIVは郵送でも検査することができます

参考:公益財団法人エイズ予防財団、エイズ予防情報ネット、JaNP+