GME医学検査研究所

コンドームで性病予防はできる?正しく使うポイントや性病リスクを下げる方法も紹介

近年感染者が増えている性病も多く、性行為をするときは性病対策が欠かせません。
望まない妊娠を防ぐために効果的なコンドームですが、つけることで性病を予防はできるのでしょうか。

今回はコンドームの性病予防効果の有無や、コンドームで感染を防げる性病の種類、コンドームの正しい使い方や、性病リスクを下げる方法などを紹介します。
性病の中には無症状のものもあり、感染に気付かずにいると強い症状が出たり不妊になったりする可能性もあります。
正しく性病予防をするために、まずは性病予防の知識を身につけましょう。


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コンドームで性病予防はできる?

コンドームは望まない妊娠を防ぐだけでなく、性病予防の効果もあるため、安全に性行為をするために欠かせません。
性病は性行為をする以上、誰もが感染する可能性があります。 性病から身を守るためには、コンドームの使用が効果的です。 コンドームを使えば、膣性交のときだけでなく、オーラルセックスやアナルセックスの性病の対策もできます。

ただ、コンドームを使用したからといって、性病が完全に予防できるわけではありませんが、コンドームを使用すると感染率を約98%軽減し、2.9%まで下げられます。
しかし、尖圭コンジローマや梅毒などの性病はコンドームを使用しても防げない可能性があります。

100%の感染予防率ではないとはいえ、コンドームを使用するのとしないのとでは感染リスクが大きく変わってきます。 自分のこともパートナーのことも守るために、コンドームを使用して安全な性行為を目指しましょう。

着用で防げる代表的な性病

コンドームを着用すれば、どのような性病の感染リスクを下げられるのでしょうか。 ここでは、代表的な3つの性病を紹介します。

1. クラミジア クラミジアの、国内感染者数は100万人以上と言われており、特に10代後半から20代の若い世代に多い性病です。[注2]
クラミジアに感染した人と性行為を行うと50%の確率で感染すると言われており、性器だけでなく、喉や尿道にも感染してしまいます。 また、クラミジアにかかると通常より5倍以上HIVの感染率が上がってしまうと言われています。[注3]
クラミジアに感染してしまうと男性は尿道炎や精巣上体炎を発症する可能性があり、女性は子宮頸管炎を発症する可能性があります。

ただ、女性は無症状の可能性が高く、症状が出ても不正出血や下腹部の痛み、性交時の痛みなどが一般的です。
粘膜に菌が存在する場所に触れることで感染してしまいますが、コンドームを着用すれば感染のリスクは大きく下がります

2. 淋病 淋菌に感染することで発症する病気で、淋菌に感染している場所と粘膜が接触すると感染します。 一般的にはプールや温泉、キスなどでは感染しないと言われており、コンドームを着用すれば、高い予防効果が期待できます。

淋病に感染した場合、男性は排尿痛や尿道から膿が出るなどの症状が出て、放置すると精巣上体炎や前立腺炎を発症する可能性もある性病です。 また最悪の場合は無精子症になってしまうこともあります。
一方、女性は無症状のことがほとんどで、症状が出てもおりものの増加程度のことが多く、なかなか気付かない人も多いです。
ただそのまま放置していると進行し、子宮内膜炎や卵管炎などを発症してしまうこともあります。

淋病に感染した人と性行為をすると20〜30%程度の確率で感染する可能性があり、誰でも感染の可能性がある性病です。 最近は喉に淋菌が感染するケースが増えているため、オーラルセックスでもコンドームを着用するようにしましょう。[注4]

3. HIV ヒト免疫不全ウイルスが免疫細胞に感染して発症してしまうのがHIVです。 最近は適切な治療でエイズの発症を対策できるようになっていますが、エイズを引き起こす性病であることに変わりはありません。

HIVは感染経路がいくつかありますが、性行為ではHIVに感染した精液や膣分泌液が粘膜に触れることによって感染します。 そのため、コンドームを正しく着用すれば感染リスクが大きく下げられる性病です。

男性同士の性交の場合は、腸管粘膜からHIVに感染してしまう可能性があるため、アナルセックスの場合もしっかりとコンドームを着用しましょう。 コンドームを使用しないで性行為を行った場合、感染する確率は0.1〜1%と高くはありません。
ただ、確率が低いというだけで、1回の性行為で感染してしまった人もいます。 また血液からも感染するので、出血を伴うような性行為はしないようにしましょう。

HIVに感染すると発熱や喉の痛み、筋肉痛、頭痛、下痢など風邪やインフルエンザのような症状が出ますが、時間が経つと症状は一度なくなります。 ただ、症状がなくなっても治ったわけではなく、適切な治療を行わないとエイズを発症してしまいます。

正しく使う9つのポイント

コンドームで性病予防するためには、正しく使用しなければいけません。 きちんと性病予防できるように、コンドームを正しく使うポイントを押さえておきましょう。

  • ①挿入前から着用する

    コンドームは必ず挿入する前から着用しましょう。 射精前でも精子や分泌液は出ているので、射精の直前にコンドームをつけても性病は予防できません。
    オーラルセックスの場合も、必ず最初から最後までコンドームを着用してください。
    また、オーラルセックスの後に挿入する場合は、コンドームを付け替えます。 オーラルセックス用のコンドームも売られているので、使い分けるようにするといいでしょう。

  • ②重ね付けをしない

    コンドームを2重に重ねたからといって性病の感染リスクが下がるわけではありません。
    コンドームを重ね付けするとゴムとゴムが摩擦を起こしてしまい、破れる確率が高くなってしまうので1枚だけで着用しましょう。

  • ③使用期限を確認する

    コンドームには使用期限があります。 使用期限を過ぎるとゴムが劣化してしまい、破れやすくなるので危険です。
    パッケージや外箱に使用期限が書かれているので、必ず確認するようにしてください。 使用期限を確認できるように箱は捨てずに取っておくことをおすすめします。

  • ④常温で保存する

    コンドームは熱や寒さに弱く、暑い場所や寒過ぎる場所に置いておくと劣化して破れやすくなります。 コンドームは必ず常温の場所で保存しましょう。
    車内に置きっぱなしにしたコンドームなどは危険です。

  • ⑤潤滑油は必ず水性のものを使用する

    性行為をするときに潤滑油を使用するのであれば、必ず水性の潤滑油を使用してください。 油性の潤滑油を使用するとゴムがすり減ってしまうため、破れてしまうかもしれません。
    ベビーオイルやワセリンなどを潤滑油として使っている場合は要注意です。

  • ⑥サイズに合ったコンドームを使用する

    コンドームには、一般的にS・M・L・XLのサイズがあります。 男性器が勃起した状態の直径を元にサイズを選びましょう。 一般的に販売されているのはMサイズが多いです。 サイズが合っていなければ性行為中に外れたり、破れてしまったりする可能性があります。
    一般的なコンドームのサイズは以下のとおりです。
    ・Sサイズ :直径27~31mm
    ・Mサイズ :直径32~36mm
    ・Lサイズ :直径37~42mm
    ・XLサイズ :直径43~47mm
    コンドームのサイズ選びの参考にしてください。

  • ⑦爪は短くしておく

    コンドームは鋭利なものに弱く、すぐに破れてしまいます。 特に薄さを重視したコンドームは破れやすいので注意が必要です。
    爪が伸びていると装着時に高確率で裂けてしまうので、爪は必ず短くしておきましょう。

  • ⑧空気を抜いて根本まで被せる

    コンドームを装着する際は、裏表を確認して先端の部分の空気を抜いた上で根本まで被せます。
    もし裏表を間違えて男性器にコンドームを接触させてしまった場合は、そのコンドームは捨てて新しいコンドームを使用しましょう。 根本までしっかり被せてください。

  • ⑨射精後はすぐにコンドームを外す

    射精した後はすぐに膣から男性器を抜き、コンドームも外します。
    射精後は男性器が縮んでしまうため、そのままにしておくとコンドームの間から精子や分泌液が漏れるので注意してください。

コンドーム以外でもリスクを下げる

コンドームは性病を予防できますが、100%予防できるわけではありません。 他の方法を併用すれば、性病リスクはさらに下げられます。

■不特定多数の人と性行為をしない
性行為は決まったパートナーと行うようにしましょう。 不特定多数の人と性行為をしていれば、それだけ感染リスクが上がってしまいます。
パートナーだけとしか性行為しないのであれば、お互いが無感染であれば感染するリスクはありません。

■定期的な性病検査を行う
ただ、公衆トイレや温泉などの場所でも感染する可能性がある性病もあり、どれだけ気をつけていても性病に感染することはあります。
感染してしまった場合、被害を少しでも抑えるためには早期発見と速やかな治療が重要です。
性行為をする機会があるなら定期的に性病検査を受ける習慣をつけ、もし感染していたらすぐに治療を行いましょう。

性病予防のために必ずコンドームを使用しよう

万が一の感染から自分やパートナーを守るために
定期的な検査をしましょう。
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