GME医学検査研究所

性病検査は何科の病院を受診すればよい?
メリット・デメリットも紹介

これって性病の症状?でも...どの病院に行けばいいの?
パートナーにうつしたらどうしよう!

性病は感染症であるため、パートナーが感染してしまう恐れがあります。
性病に感染してしまったことで、関係が崩れてしまうかもしれません。そのため、性病の疑いがある場合はすぐに検査をしましょう。
本記事では性病検査を受けられる病院について、病院で検査するメリット、デメリットを解説します。

性病検査は何科の病院を受診すればよい?

性病検査は主に次のような科で受診可能です。

● 性感染症内科
● 泌尿器科
● 婦人科

性感染症内科は性病の中でも知られている性病を専門とした内科で、男女ともに受診可能なのが特徴です。

一方、泌尿器科、婦人科は男女で受診先が異なります。男性であれば泌尿器科、女性であれば婦人科で性病の検査が可能です。

3つの科を比較した場合、以下のとおり性病の専門性に長けているのは性感染症内科となっています。

主な範囲
性感染症内科 性感染症全般
泌尿器科 腎臓・尿道といった尿路系
陰茎・前立腺といった男性生殖器系
婦人科 膣や子宮、卵巣といった女性特有の疾患



【保健所での検査も可能】

各自治体の保健所でも性病の検査は受けられます。保健所で検査できる性病は次の4つです。

①HIV

主な症状

2~4週間経過すると、発熱、咽頭痛、筋肉痛などインフルエンザのような症状が現れる。その後、数年~10数年程度は症状がないが治療をしないとAIDSを発症する。

感染者数

891人(2019年)(※1)


②梅毒

主な症状

感染から経過した期間によって、症状の出る場所や内容が異なる。治療をしないと心臓、血管、神経に異常が出る。

感染者数

5,867人(2020年)(※2)

③淋菌

主な症状

女性:症状が現れないことが多いが、症状が現れた場合は緑黄色の濃いおりものや尿道から膿が出る。
男性:尿道にかゆみや熱っぽさを覚える。尿道から膿が出る。排尿時に強い痛みを感じる。

感染者数

8,474人(2020年)(※2)

④クラミジア

主な症状

女性:通常は無症状。症状が出る場合は、おりものが少し増える、軽い生理痛のような痛み、不正性器出血などが挙げられる。
男性:尿道がかゆくなったり、排尿時に軽い痛みを感じたりする。

感染者数

28,381人(2020年)(※2)



ただしすべての性病検査を実施しているかどうかは、自治体によって異なります。

例えば、東京都の保健所であればHIV、梅毒のみ検査可能です。(※3)
一方、千葉県ではHIVに加えて、希望者を対象にクラミジア、淋菌、梅毒の検査を実施しています。(※4)
自分の住んでいる自治体ではどの性病検査ができるかを確認しておくと良いでしょう。

検査できる性病は自治体によって異なりますが、いずれの保健所でも無料かつ匿名での検査が可能です。

病院で性病検査を受けるメリット

病院で性病検査を受けるメリットとして、検査できる性病の種類が多い・治療への流れがスムーズという点が挙げられます。

【検査できる性病の種類が多い】

保健所で検査できる性病は、HIV、梅毒、淋菌、クラミジアの4種ですが、性病の種類はそれ以外にもあります。
上記の4種以外に、次のような性病があります。

病名 主な症状
性器ヘルペスウイルス感染症 症状がないケースが多いが、性器に小さな水ぶくれやただれが現れる場合もある。激痛によって排尿、歩行困難になる恐れもある。
尖圭コンジローマ 小さな尖ったイボが外陰部から肛門や膣にできる。通常、自覚症状はないがかゆみや性交時に痛みを覚えるケースがある。
トリコモナス症 女性:強い悪臭がする泡状のおりものが大量に出る。
妊婦:感染していると早産になる恐れがある。
男性:症状がないことが多いが、前立腺炎を起こす場合がある。
性器カンジダ症 女性:陰部に強いかゆみが出る。おりものが白く、かたまりができる。
男性:無症状もしくはかゆみが出る。
A型肝炎 発熱、全身倦怠感などの症状が出た後に、食欲不振をはじめとした消化器症状、肝機能が低下する。成人の感染の場合、症状が出ることが一般的で、重症化(劇症肝炎)することもある。
B型肝炎 急性:微熱、食欲不振、だるさ、吐き気・嘔吐などの症状が出る。
慢性:遺伝子型によっては慢性化して、肝硬変や肝がんに進行する。
その他の感染症
(毛じらみ症、HPVなど)
毛じらみ症:外陰部にかゆみが出る場合がある。
HPV:子宮頸がんの原因になる場合がある。


これらは性病ですが保健所では検査できません。
しかし、性病検査を行っている病院であれば、検査可能です。




【治療への流れがスムーズ】

病院は性病の検査をするだけでなく、当然治療も行ないます。
性病の治療で用いる薬はドラッグストアで購入できない抗生物質や抗ウイルス薬です。そのため病院で性病検査をして性病であることがわかった場合、すぐに治療に進めます。

病院で性病検査を受けるデメリット

病院であれば、多様な性病の検査が可能な一方、検査費用が発生するのに加えて、匿名での検査が受けられません。
また、感染経路を尋ねられる可能性や、被扶養者であれば扶養者に知られてしまう恐れもあります。

検査費用が発生する

病院で性病検査を受ける場合、保健所とは異なり診察料が発生します。
その際、発生する費用は保険適用と保険適用外のどちらかです。保険が適用されるのは診察によって医師が性病の疑いを抱いて検査したケースです。
一方、患者自身が性病を疑い検査したケースでは保険適用外になってしまいます。

匿名で検査が受けられない

病院での性病検査は、匿名では受けられません。そのため、性病の検査に対して恥ずかしさを抱いてしまう人には向いていないと言えます。
また、症状によっては下半身や性器を見せなければならない場合もあります。

感染経路を尋ねられる可能性もある

病院で性病検査を受ける際に、医師から性病の感染経路や思い当たる節を尋ねられるかもしれません。
性病は種類によって潜伏期間が異なります。そのため、感染経路や思い当たる節を伝えることでより正確な診断が期待できる一方、プライベートなことになるため回答しづらいところもあるでしょう。

扶養に入っていると扶養者に通知がいってしまう

親や配偶者の扶養に入っている場合、保険証を使用すると扶養者に保険証の使用履歴が通知されます。通知では病名や検査した内容などは記載されませんが、どの病院にかかったかが記載されます。
そのため、場合によっては性病検査のために通院したことが扶養者に知られてしまうかもしれません。

病院で性病検査を受けるのが恥ずかしい場合は検査キットを利用するのがおすすめ

病院で性病検査を受けるのは恥ずかしいといった方は、性病の検査キットを利用してみましょう。検査キットであれば自宅で検体を採取して郵送するだけで検査が可能です。
誰にも会わずに検査ができるため、性病検査に抵抗があるという方でも安心して受けられます。

病院で検査をするよりも費用を抑えられる可能性がある

病院で性病を検査する場合、医師が診断して疑わしい症状が見つからない限り検査は全額自己負担となるため、費用が高額になる恐れがあります。
そのため、性病にかかっていないかだけ知りたいという方にとっては、検査キットを使用した方が費用を抑えられる可能性があります。

病院よりも検査結果が早い場合がある

検査キットによる性病検査を行っている業者は、自社専用の検査機関を持っているケースが多くあります。そのため病院で検査を受けるよりも早く検査結果を確認できる場合があります。
また病院の場合、検査結果を聞くために再度受診しなければなりません。

対して検査キットであればスマートフォンでも検査結果が確認できます。

検査できない性病もある

検査キットの場合、主に次のような性病の検査が可能です。

● B型肝炎
● C型肝炎
● HIV
● 梅毒
● 性器クラミジア
● 性器淋菌
● トリコモナス
● カンジダ
● のどクラミジア
● のど淋菌
● ヒトパピローマウイルス(HPV)

そのため、毛じらみ症やA型肝炎といった一部の症状は検査キットでは検査ができません。検査キットが対応していない症状の場合は、病院で検査を受けましょう。

検査キットを選ぶ際は提携病院がある物を選ぶ

検査キットでの性病検査の結果が陽性だった場合、病院を受診しなければなりません。この際、病院で再度検査が発生する恐れがあります。そうなった場合、余計な検査費用が発生してしまいます。
このような余計な検査費用を抑えるためには、提携病院が多い業者の検査キットを選びましょう。
提携病院であれば検査キットの結果で治療を開始できるため、再検査は不要です。
※医師の判断により再度検査を行う場合あり

病院で性病検査を受けるメリット・デメリットまとめ
性病は、自分はもちろんパートナーや胎児にも影響を及ぼしてしまう可能性がある病気です。
そのため、少しでも不安に感じたら、気になる症状を把握した上で、正しく検査し治療をはじめましょう。