GME医学検査研究所

大学生が性病になったらどうする?
検査方法を詳しく解説

性経験をする前に【性病】について知りましょう

大学生になり恋人ができて、交際がスタートしたという方もいるでしょう。恋人ができたことで性経験も増える可能性があります。その際に覚えておきたいのが性病のリスクです。
一言で性病といっても種類は多様でそれぞれ症状が異なります。本記事では大学生の性病について、検査方法や予防方法を通じて解説します。

大学生も性病になる可能性はある

大学生であっても性病にかかってしまう可能性があります。厚生労働省が発表している性感染症報告数によれば、2021年における大学生の年代を含む15~24歳までの主な性感染症の感染者数は、男女別で次のとおりです。[注1]

年齢階級 性器クラミジア感染症 性器ヘルペスウイルス感染症 尖圭コンジローマ 淋病(淋菌感染症) 梅毒
総数 15歳~19歳 2,242人 238人 201人 671人 240人
20歳~24歳 9,151人 1,174人 1,147人 2,727人 1,472人
男性 15歳~19歳 665人 42人 53人 353人 72人
20歳~24歳 3,877人 349人 510人 1,890人 550人
女性 15歳~19歳 1,577人 196人 148人 318人 168人
20歳~24歳 5,274人 825人 637人 837人 922人

[注1]性器クラミジア感染症、性器ヘルペスウイルス感染症、尖圭コンジローマ、淋病(淋菌感染症)は報告義務のある定点医療機関からの届出数、梅毒は全医療機関からの届出数になります。

15~19歳と、20~24歳で感染者数を比較すると、全ての性感染症で20~24歳の感染者数が上回っています。他の年齢と比較しても、20~24歳は感染者数が最も多く、性器クラミジア感染症では2番目に多い25歳~29歳(3,696人)よりも1,578人多い結果でした。また、近年感染者数が増加傾向にある梅毒も、20~24歳は全世代の中で最多で、2位の25~29歳(1,317人)より155人も多くなっています。

大学生にあたる年齢は性病感染者数が多いことから、学生であっても性病に感染する可能性があり、知識や検査方法、対策を把握しておく方がよいでしょう。

参考)厚生労働省. 「性感染症報告数(2004年~2021年) “年齢(5歳階級)別にみた性感染症(STD) 報告数の年次推移”」.
https://www.mhlw.go.jp/topics/2005/04/tp0411-1.html

性病にかかったらどうなる?感染症別の症状

大学生であっても性病にかかるリスクはあるので、性病にかかったらどのような症状が出るかを事前に把握しておきましょう。先述の大学生くらいの年代に多い性器クラミジア感染症・性器ヘルペスウイルス感染症などの性病には、次のような症状が現れるのが一般的です。

潜伏期間 初期症状
性器クラミジア感染症 1~3週間 【男性】:尿道にかゆみや不快感があったり尿道から透明な分泌物が出たりするが、症状を自覚しない場合も多い
【女性】:おりものの増加や不正出血、下腹部痛、性交痛などが見られるが、ほとんど自覚症状を感じないと言われている
性器ヘルペスウイルス感染症 2~10日 症状が出ないことが一般的だが、性器に細かい水ぶくれやただれが出ることがある
尖圭コンジローマ 3週間から8ヶ月 性器周辺や肛門周辺にイボができる
淋病 2~7日 【男性】:排尿痛や尿道から多量で膿性の黄白色の分泌物が出る
【女性】:症状がないことが多く、あるとすれば緑黄色の濃いおりものや尿道から膿が出る
梅毒 10~90日 陰部や口唇部、口腔内に、痛みやかゆみを伴わないしこりが現れる他、股の付け根部分のリンパ節が腫れる

多くの場合、性病による症状は男女差がある上に、人によっては自覚症状が現れないケースもあります。また、梅毒の場合は第1期から第4期で症状が異なります。梅毒は第4期まで放置していると、死に至る恐れもあるほど、リスクの高い性病です。

また性病の中には、放置していると男性では精巣上体炎を、女性では卵管炎や腹膜炎、肝周囲炎などを引き起こし、不妊症に繋がる恐れがあるものもあります。少しでも性病と思われる症状や感染に思い当たる節があれば、早めに検査を受けましょう。

大学生が性病の検査を受ける方法

大学生が性病の検査を受ける方法は主に次の3つです。

1.保健所の無料検査を活用する
2.病院を受診して検査する
3.検査キットで検査する

1.保健所の無料検査を活用する

各自治体の保健所では、性病の検査を受け付けています。保健所では無料かつ匿名で性病検査が可能です。そのため、個人情報を知られたくない方も検査できます。検査の結果、陽性であることが分かった場合、クリニックや病院を紹介してくれる場合もあります。

しかし保健所の検査は匿名とはいえ、カウンセリングや検査結果の口頭説明が発生します。
また保健所は、どのような性病であっても検査できるわけではありません。HIVであれば全国の保健所で検査が実施されていますが、淋病や梅毒などHIV以外の性病検査の実施有無は自治体によって異なります。

そのため住んでいる地域と性病の種類によっては、保健所で性病検査ができない可能性があります。保健所での検査を検討している場合は、自分の住んでいる地域の保健所がどのような性病検査に対応しているかを確認しておきましょう。

2.病院で検査を受ける

性病は検査結果が分かって終わりではありません。検査後、性病に感染していることが分かったら、治療を受ける必要があります。病院であれば、検査後に結果が分かり次第、すぐに治療を始められます。また、病院は検査できる性病の種類が豊富です。保健所で対応できない性病であっても、病院であれば検査できます。

ただし病院の検査は保健所と異なり、無料で受けることはできず、診察料や治療費などの費用が発生します。性病の症状が出ている場合は保険が適用され3割の負担で済みますが、例えば「性病が心配で、症状はないけれど念のため検査したい」という目的で病院の検査を受ける場合には、保険適用外になりますので検査費用は全額自己負担になります。病院によっては保険証を使わないで診療する自由診療を行っているところもあります。保険証を使わないので、保険証の使用履歴が親にバレることはありませんが、保険は適用されませんので全額自己負担になってしまいます。

また病院では、詳細な検査のために、感染に思い当たる節がないかなどを尋ねられる可能性もあるでしょう。性病について他人に知られたくない方には、病院での検査が苦痛に感じられるかもしれません。

3.検査キットで検査する

保健所であっても、病院であっても性病検査では他人と顔を合わせることになります。性病をなるべく隠したいと考えている大学生の方には、気が重いかもしれません。公益財団法人日本財団が、大学生も当てはまる全国の17歳~19歳男女を対象に実施した「18歳意識調査」では、性病に感染したことを誰にも相談しなかった人は11.1%でした[注2]。この結果から、性病について「誰にも相談できない」もしくは「したくない」という学生は一定数いると考えられます。

誰かと顔を合わせずに匿名で検査をしたい学生は、郵送検査を活用してみましょう。郵送検査の性病検査キットを使えば、自宅で検体を採取して郵送するだけで、スマートフォンから検査結果が分かります。病院や保健所のように時間にとらわれることがないため、自分の好きなタイミングで検査可能です。

郵送検査は購入費用が発生しますが、病院よりも費用を抑えられる可能性があります。また、病院と提携している性病検査キットであれば、検査結果に基づいたスムーズな治療を受けられます。

郵送検査を使用する際に注意すべきなのが、検査できる性病の種類です。検査できる性病の種類に限りがあるため、自身の症状に当てはまる性病が検査対象でなければ、病院での検査が必要です。

[注2]参考)公益財団法人日本財団. 「18歳意識調査「第39回 – 性行為 –」詳細版 P20」.
https://www.nippon-foundation.or.jp/app/uploads/2021/07/new_pr_20210728_2.pdf

大学生が性病感染を防止する方法

大学生が性病にかからないためには、コンドームの使用を心掛ける必要があります。使用目的は望まない妊娠を避けるだけではありません。性病の予防にも一定の効果が期待できます。
しかし、コンドームによって感染を完全に防げるわけではありません。

コンドームの使用に加えて、不特定多数の人との性行為を避けることもポイントです。不特定多数の人と性行為に及んでいると、感染するリスクが高まってしまいます。

コンドームはオーラルセックスであっても使用する

コンドームは性行為時のみに使用する方もいるでしょう。しかし、オーラルセックスであっても使用が望ましいと考えられています。オーラルセックスも淋病やクラミジアなどに感染するリスクがあります。

オーラルセックスによる感染が考えられる経路は、口から性器に感染する場合と、性器から口に感染する場合の両方です。

性器から口に感染した場合、咽頭炎のような症状が出ることもあれば、症状が出ないこともあります。そのため、自分が感染していることに気付かないままオーラルセックスをしてしまい、口から性器へと相手に感染させてしまうリスクが考えられます。
オーラルセックスであっても、自分と相手の身体への影響を考えてコンドームを着用しましょう。

予防に加えてパートナーと早期に検査・治療も大切

コンドームを使用したとしても確実に性病感染を防げるわけではありません。
もし自分に症状が現れたのであれば、早期に検査を受け、治療を進めていきましょう。検査・治療は自分だけでなく、交際相手も一緒に受けることが大切です。
カップルのいずれかが治療したとしても、相手が治療していなければ、再び性病にかかってしまう可能性があります。このように、カップルでどちらかのみしか治療しなかったことで再度感染する状況を、ピンポン感染と呼びます。

2人とも検査・治療しない限り、ピンポン感染が続きかねません。そのため、どちらかに性病の疑いがあれば、2人で一緒に検査・治療を受けることを心掛けましょう。
人に知られずにパートナーと一緒に検査したいのであれば、先述のように郵送検査の活用がおすすめです。

性病はパートナーを感染させてしまうリスクがあるため早めに検査と治療を

大学生であっても性病にかかってしまう可能性はあります。性病にはさまざまな症状が現れるため、早めに検査をして治療を受けましょう。病院や保健所では大学生の性病検査に対応しているところもあります。しかし、どちらの検査も他人と顔を合わせる必要があります。
性病を他人に知られたくない方は、郵送検査の活用がおすすめです。

性病はコンドームの着用や不特定多数の人との性行為を避けることで、予防可能です。しかし、確実に予防できるわけではありません。カップルで互いに感染させてしまう『ピンポン感染』のリスクを軽減するためにも、早めに二人で検査と治療を進めることが大切です。

大学生が性病になったら?
大学生は性病の感染者数が多い年代です
性病予防にはコンドームの使用が第一ですがコンドームでも予防しきれないといわれています
そのため性行為をしたら定期的に検査をすることが大切です郵送検査なら誰にもバレずに簡単に検査をすることができます