GME医学検査研究所

性行為をしていないのに性病に感染する?
可能性を詳しく解説

性行為をしていなくても性病に感染する可能性がある!?

性病は主に性行為によって感染しますが、他の感染経路もあります。本記事では、性行為以外で性病に感染する可能性や、感染が疑われるときの対応方法について解説します。病気の早期発見につなげるためにも、ぜひチェックしておきましょう。

性行為をしていないのに性病に感染することはある?

可能性は低いものの、性行為をしていなくても性病に感染する可能性はあります。
性病の原因となるウイルスや細菌は、主に精液や血液などの体液に含まれており、パートナーと粘膜が触れ合い、体液が付着することで感染するケースがほとんどです。
一方、性行為以外で性病に感染する可能性もあるため、注意しなければなりません。性病の種類によっては、膣性交やキス、オーラルセックスなど以外でも性病に感染する可能性があるため覚えておきましょう。

◎キスやオーラルセックスによって感染する咽頭感染症

のどの性病である咽頭感染症は、キスやオーラルセックスによって感染する可能性があります。咽頭感染症を引き起こす細菌は、淋菌やクラミジアです。淋菌やクラミジアは、膣性交で感染するだけではなく、オーラルセックスによって性器からのどへ感染するケースもあります。

さらに、キスによってパートナーののどへ菌が移動する可能性もあるため注意が必要です。咽頭感染症になると、のどの腫れや痛み、発熱といった風邪のような症状が発生します。一方、自覚症状がないケースも多く、知らないうちに相手を感染させてしまうこともあるため気をつけなければなりません。

一般的なうがい薬などで殺菌しても感染する可能性が高く、咽頭淋菌感染者や咽頭クラミジア感染者の人数は増加傾向にあります。性器に感染した場合と比較すると、治療に時間がかかることもあるため注意しましょう。

性行為以外で性病に感染するケース

性病をはじめとした感染症が感染するパターンとしては、接触感染・飛沫感染・空気感染の3つに大きく分けられます。
空気感染や飛沫感染によって性病にかかることは基本的にありません。しかし、可能性は低いものの、タオルや下着などから感染する可能性や、トイレや浴室で感染する可能性もあるため注意が必要です。

◎接触感染

接触感染とは、ウイルスや細菌などの病原体が付着しているものに直接的に触れてしまい感染することです。粘膜や傷口に病原体が付着して感染するケースなどがあたります。膣性交やオーラルセックスによって性病に感染することは、接触感染に該当します。性病になる原因のほとんどは、性行為による接触感染となります。

◎飛沫感染

飛沫感染とは、くしゃみや咳などの飛沫によって感染することです。空気中に含まれている病原体を吸い込んでしまうことにより感染します。インフルエンザは、飛沫感染によって広がる代表的な病気です。

1. タオルや衣類から感染する可能性

性病によっては、タオルや布団などを介して感染する可能性もあります。

例えば、毛じらみは衣類から感染する性病の一つです。
毛じらみはシラミの一種であり、陰毛を含む体毛に寄生し、強いかゆみをもたらします。陰毛以外では、胸毛やわき毛に寄生することもあるため注意しなければなりません。性行為などを通して、毛じらみの寄生している毛が触れ合うことで感染するケースが多いのですが、衣類や寝具を介して感染する場合もあります。毛じらみは、毛を離れても48時間程度は生存できるため、その間に衣類を介して感染してしまうのです。

毛じらみは体毛に寄生しているため、コンドームを使用しても感染を防ぐことはできません。かゆみなどの症状が出ている場合は、性行為を避け、タオルや布団を共有することも控えましょう。

2. トイレや浴室で感染する可能性

トイレや浴室で性病に感染する可能性もあるため注意しましょう。
例えばトリコモナス原虫は、トイレや浴室などにも潜んでいる可能性があります。便座や浴室の椅子などに付着している場合があり、そこから感染する可能性があります。そのため、性行為の経験がない子どもにも感染してしまっている場合もあります。

トリコモナス症にかかると、男性の場合は、尿道にかゆみを感じたり、尿道から分泌液が出たりするのが一般的です。排尿時に軽い痛みを感じることもあるでしょう。進行すると尿道炎につながる可能性もあります。
女性の場合、悪臭のするおりものが出たり、排尿時に痛みを感じたりするといった症状が現れます。ただし、自覚症状がないことも多く、気付かないうちに病気が進行し、流産や早産の原因になる可能性もあるため注意が必要です。

3. 妊娠時に感染する可能性

性病によっては、妊娠中に母親から胎児に感染する可能性もあります。クラミジアやHIV、梅毒といった性病は、母子感染の可能性もあるため注意が必要です。母子感染が発生すると、生まれてくる子どもが先天性の障害を持つ原因となったり、死産や流産につながったりするケースもあります。
妊娠を希望している場合は、性行為の前に性病の検査を受けておくとよいでしょう。その際はパートナーと一緒に検査を受けるのがおすすめです。

性病に感染した可能性があるときはどうする?

性病に感染した可能性があるときは、すぐに医療機関を受診して適切な治療を受けることが大切です。ここまで紹介したとおり、性行為をしていなくても性病に感染している可能性はあります。
尿道のかゆみや違和感、排尿時の痛みなどの症状が出ている場合は、特に注意が必要です。病気が進行すると完治するまでに時間がかかるケースも多いため、早めに対応しましょう。以下、対応のポイントを詳しく紹介します。

1. 性病が自然に治ることはない

性病は、時間が経っても自然に治ることはありません。一時的に症状がなくなったり軽くなったりすることはありますが、完治したわけではないため注意が必要です。
知らないうちに性病が進行してしまい、他の病気を発症したり治療の期間が長くなったりする可能性もあります。パートナーを感染させてしまうリスクもあるでしょう。性病と思われる症状が出ている場合は、早めに医療機関を受診することが大切です。

2. 性感染症内科や泌尿器科を受診する

性病の検査や治療を受けられる病院としては、性感染症内科・泌尿器科・婦人科などが挙げられます。性感染症内科は、性病に関する幅広い治療を受けられる診療科です。基本的には男女ともに利用でき、あらゆる性病に対応してもらえます。
泌尿器科は、主に排尿障害や尿路結石、尿路感染症などの泌尿器科一般の診療を行います。婦人科は、その名のとおり、女性特有の病気を扱う診療科です。泌尿器科や婦人科でも性病の相談はできますが、性感染症内科のような専門的な治療を受けられないケースもあります。

3. 性病検査キットで感染の有無をチェックする

病院を受診するのが恥ずかしい場合は、性病検査キットを活用して感染の有無をチェックするのがおすすめです。性病検査キットはオンラインで簡単に購入でき、自宅にいながら性病かどうかを確認できます。
尿などを採取して検査機関に送付するだけでよいため、手間はかかりません。症状はないけれど念のために検査しておきたいといった場合にも、性病検査キットを利用するとよいでしょう。

性行為せずに感染する性病について
性行為せずに性病に感染する可能性はそれほど高くはないものの、日常生活で感染するケースもあるため注意が必要です
性病に感染した可能性があるときは、早めに医療機関を受診することが大切です。早期発見・早期治療により、症状が重くなる前に対応できます