GME医学検査研究所

新型コロナウイルスの後遺症に循環器の疾患が隠れているかも⁉
NT-pro BNPの検査でわかること

新型コロナウイルス(COVID-19)の後遺症と循環器疾患について

新型コロナウイルスに感染した後に何らかの症状が、約10~20%の人に発生するとされています。さらに、新型コロナウイルスに感染した人は、循環器疾患を合併するリスクに注意する必要があります。
今回のコラムでは新型コロナウイルス(COVID-19)の後遺症と循環器疾患の関連性や、検査方法について解説しています。

新型コロナウイルスの後遺症とは?

新型コロナウイルス感染症(COVD-19)に感染した後、ほとんどの方は時間経過とともに症状が改善します。ですが、一部の方では長引く症状(罹患後症状)いわゆる後遺症があることが分かってきました。

この新型コロナウイルスの後遺症は、以下のものが該当します。

◎後遺症に該当するケース

・COVID-19に感染してから3か月経った時点でも症状がみられる
・少なくとも2か月以上持続
・他の疾患による症状として説明がつかないもの

新型コロナウイルスに感染してすぐの時期から持続する症状、回復した後に新たに出現する症状があり、症状の程度は変動し、消失してから再び出現することもあります。

◎新型コロナウイルスの後遺症の割合

罹患後症状が感染者のうちどれくらいの頻度で発生するかについては、研究によりその定義の方法や調査手法が異なり一概に比較することが困難であること、症状がある人のほうが調査に回答する割合が高くなる回答バイアスが生じうるなど調査には限界があることから、明確には分かっていません。
WHOは、これまでの研究によるとCOVID-19感染者の約10~20%に罹患後症状が発生するとしています。

コロナ後遺症になりやすい人や症状について

後遺症になりやすい人については2020年度に実施された研究データをお示ししています。

代表的な症状としては、疲労感・倦怠感、息切れ、胸痛、筋力低下、集中力低下、睡眠障害、記憶障害、関節痛、筋肉痛、咳、喀痰、脱毛、頭痛、味覚障害、嗅覚障害などがあります。

◎男女別の割合

男女別では、罹患後症状を有する割合は女性が多かったのですが、時間が経過するとともにその差は縮小していきました。

◎年齢別の割合

年齢別(40歳以下の若年者、41~64歳の中年者、65歳以上の高齢者)でみていくと、中年者で後遺症を有する人の割合が高かったという報告があります。また、年齢別では症状の種類が異なったことも特徴的です。
診断後12カ月の時点でそれぞれ下記の症状が多くみられました。

【若年者】 知覚過敏、脱毛、頭痛、集中力の低下、味覚障害、嗅覚障害
【中年者と高齢者】 咳、喀痰、関節痛、筋肉痛、眼科症状

◎新型コロナウイルスの後遺症で症状が残りやすい人

新型コロナウイルスの後遺症で症状が残りやすい人としては、入院中の症状が重症(酸素投与や気管内挿管、人工呼吸器管理を要した患者)であった人が挙げられます。

出典)新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の長期合併症の実態把握と病態生理解明に向けた基盤研究 | 厚生労働科学研究成果データベース (2024.2.16) https://mhlw-grants.niph.go.jp/project/145956
出典)新型コロナウイルス感染症の罹患後症状(いわゆる後遺症)に関するQ&A|厚生労働省 (2024.2.16) https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kouisyou_qa.html

コロナ後遺症に循環器病!?

新型コロナウイルス感染に伴い、急性心筋梗塞や不安定型狭心症、心筋炎、心不全、不整脈、脳梗塞、血栓塞栓症などの循環器疾患が合併したという報告があります。そのため、新型コロナウイルスに感染した人は、循環器疾患を合併するリスクに注意する必要があります。

循環器病は状況によっては致死的な状態となることがあるため、下記の症状がみられた時には、循環器病を疑い専門医に相談しましょう。
息切れ・胸部不快感・動悸・四肢のむくみなど

国内の事例では、新型コロナウイルスに感染して入院し、酸素投与が必要となった中等症以上の成人患者のうち、入院中または退院後3か月以内に心疾患が疑われた31症例を対象として、退院3か月後に心臓MRI検査を行った報告があります。
その検査では、42%で心筋障害を示唆する所見が認められ、26%が心筋炎の基準を満たしていました。

出典)新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き 罹患後症状のマネジメント版 3.0 第 | 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き 罹患後症状のマネジメント 編集委員会(2024.2.16) https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/001159305.pdf

循環器病の予備軍か調べるにはNT-pro BNP検査を

『BNP』とは、心臓を守るために心室から分泌されるホルモンです。
BNPには、血圧を低下させて利尿を促し、さらには心臓の肥大や繊維化を抑えるという『心臓を守る心保護作用』があります。

『NT-pro BNP』とは、そのBNPが活性化される過程で生じる物質で、心臓の機能が低下して心臓への負担が大きいほど多く分泌され、数値が高くなります。
NT-pro BNPを検査することで、生活習慣の乱れなどによって起こる心不全・心筋梗塞・狭心症・不整脈といった”心疾患”や、脳梗塞・脳出血といった”脳血管疾患”のリスクの予測が行えます。

新型コロナウイルス感染後より、息切れや胸の違和感・動悸・四肢のむくみなどが発症した場合には、NT-proBNP検査を受けて、現在の心臓の状態を把握するのがおすすめです。

自宅でもNT-pro BNP検査はできます

GMEのNT-pro BNP検査なら、自宅で少量の血液を採取して郵送するだけで、簡単にBNPを検査することができます。

スマホやパソコンから検査を申込み、キットが届いたら自宅等で採血して検体をポストに投函。
GMEに到着した検体は検査技師がしっかり検査を行います。検査が完了した後はスマホやパソコンで結果を確認できます。
365日営業のため気になったときに検査ができ、すぐに結果が出るため生活改善にも取り組みやすく、定期的に検査をすることでその後の改善効果の確認がいつでも可能です。

新型コロナウイルスの後遺症について
新型コロナウイルスの後遺症を発症している方は循環器疾患を合併するリスクがあります
GMEのNT-pro BNP検査なら自宅で少量の血液を採取して郵送するだけで簡単にBNPの定期検査をすることができます