GME医学検査研究所

日本で1番多い性病クラミジア
感染経路や治療法について解説

クラミジアは性器だけではなく『のど』にも感染します

クラミジア感染症は感染率が高く、一度の性交渉で30~50%が感染します。
感染者の半数は無症状ともいわれており、感染に気がつかないままパートナーにうつしてしまうケースもあります。さらにクラミジアは性器のほかにも尿道や咽頭にも感染します。
今回のコラムでは日本で1番感染者の多い性病クラミジアについて解説します。

クラミジア感染症を知っていますか?

クラミジア感染症は、クラミジア・トリコマティスという病原菌によって引き起こされます。
感染率が高く、一度の性交渉で30~50%が感染します。
男性より女性の感染率が高いですが、感染者の半数は無症状ともいわれています。さらに、クラミジアは性器のほかにも尿道や咽頭にも感染します。

クラミジア感染症はメジャーな性感染症ですが、2023年5月、国内の患者数がここ10年で最も多いと報告されました。2002年をピークに減少傾向にあった患者数ですが、2016年あたりからまた増加傾向にあります。

男性では、20代の患者数が多く、増加傾向です。

女性では20代前半で突出して感染者数が多いです。10代後半では2013年以降減少し横ばいの状態ですが、そのほかの年代では横ばいか、増加傾向にあります。
国内では若い世代の人口が減っているため、高い年齢層と比べると罹患率はさらに増加している可能性があります。

出典)国立感染症研究所 | 性器クラミジア感染症の発生動向、2021年(2024.2.26) https://www.niid.go.jp/niid/ja/chlamydia-std-m/chlamydia-std-idwrs/12086-chlamydia-16jun.html

クラミジアはどうやって感染する?

クラミジア感染症は、性行為などによる粘膜の接触や分泌物との接触によってヒトからヒトへ感染します。
性器だけではなく、咽頭、直腸や結膜にも感染します。感染者の産道を通過することで新生児が罹患することもあります(母子感染)

クラミジアは感染する場所や性別によって、さまざまな症状がみられます。

◎男性の場合

尿道炎

尿道に炎症が起き、排尿痛、排膿などを引き起こします。

精巣上体炎

精巣上体の腫れや痛み、微熱がみられます。男性不妊の原因となりえます。

◎女性の場合

子宮頸管炎

おりものの増加、不正出血、下腹部痛、性交痛などがおきます。

子宮内膜炎、卵管炎、卵巣炎、骨盤腹膜炎

感染を放置すると上行性感染(クラミジアが腟から奥へ広がること)が起こり、子宮内膜炎、卵管炎、卵巣炎、骨盤腹膜炎と広がり、PID(骨盤内炎症性疾患)を引き起こします。

肝周囲炎

骨盤腹膜炎が更に上行し、肝臓の周囲に炎症が広がります。激しい上腹部痛をともないます。

子宮外妊娠、不妊症

卵管に炎症が起き、卵子を運ぶ卵管の機能が低下し、卵管妊娠(子宮外妊娠)を起こします。また、炎症によって卵管内が癒着、閉塞して不妊の原因になることもあります。

◎男女共通の症状

咽頭感染

クラミジアが、のどに感染した場合、咽頭に炎症が起きます。耳閉感、難聴、鼻閉、咽頭痛、頸部リンパ節の腫脹、滲出性中耳炎などがみられますが、無症状であることも多いです。

直腸感染

直腸に感染しても70%は無症状ですが、軽度の下痢などがみられることもあります。感染経路は、アナルセックスの他、性器に感染したものがリンパ行性に直腸に到達する経路や、女性では頸管分泌液が直腸へ流入して感染する経路があります。

結膜炎

感染した人の膿や分泌物が手指を介して目に感染します。その他、咽頭上部の感染が目に広がる可能性もあります。約1週間の潜伏期間のあと、充血や目やに、まぶたの腫れなどの症状が出ます。

新生児結膜炎

母親がクラミジアに感染したまま出産した場合、赤ちゃんの目に感染し、充血や目やに、まぶたの腫れといった症状を引き起こします。

クラミジアは性器だけじゃない!のどの重複感染に注意

クラミジアは性器だけではなく、のどや直腸、結膜にも感染しますが、複数の場所に同時に感染する重複感染(混合感染)も多いです。

株式会社GMEで重複感染についてまとめたデータをみますと、重複感染の内訳として最も多かったのは、性器クラミジアと咽頭クラミジアの組み合わせで重複感染全体の24.4%を占めていました。

性器クラミジアは他にも性器淋菌との重複感染が22.7%、腟トリコモナスとの重複感染が9.0%と他の性病との重複感染も確認されています。
性器に自覚症状がある場合でも、のどやほかの感染症の感染を疑って同時に検査することも、重複感染を見逃さないためには大事なことになります。

クラミジア感染症の治療方法は?

クラミジアの治療は、マクロライド系、ニューキノロン系、テトラサイクリン系の抗菌薬を医師の判断によって選択します。
クラミジア菌が少しでも残っていると再度増殖し、感染が継続することがあるため、投薬開始2~3週間後に再検査を行い、完治を確認します。

クラミジア感染症の予防法は?

  • ①パートナーを限定しましょう

    不特定多数との性交渉は性病感染のリスクを増加させます。パートナーを限定し、コミュニケーションが円滑にとれることが、感染予防や治療に役に立ちます。

  • ②コンドームを正しく着用しましょう

    コンドームを正しく使用しましょう。性器だけではなく、口内にも感染します。オーラルセックスや性器を触る際もコンドームを使用することで感染のリスクを下げることができます。

  • ③セックス後は清潔を心がける

    体液のついた手指が口や目の粘膜に触れないように、行為後はシャワーを浴びたり手を洗ったりして清潔にしましょう。

  • ④定期的に検査を受けましょう

    日頃から自分のからだの変化に気づこうとする習慣が、性病予防にとってもたいせつなことです。セックスをする機会があるなら定期的に検査を受けましょう。
    パートナーが変わったとき、自分やパートナーになにかいつもと違う症状が現れたとき、妊娠を考えたときなども、検査を受けることで安心して次のステップに進むことができます。検査も治療も、パートナーと一緒に受けることで、知らずにお互いに病気をうつすリスクを減らすことができます。

感染したかも?不安になったときは

気になる自覚症状がある場合、症状はないけどリスク行為があった場合など、不安の解消のために検査を受けましょう。GMEでは自宅にいながら簡単にクラミジアの検査を受けることができます。

お電話やWEBでご注文が可能で、当日15時までの受付で即日発送、一部地域を除いて翌日配送されます。検査キットが届いたら、お好きなタイミングで検体を採取し返信用封筒に入れてポストに投函するだけです。
365日検査を行っているため、検体到着後、最短翌日に結果確認していただけます。検査結果はインターネット・お電話での確認が可能です。万が一、結果が陽性だった場合は、全国のGME協力医療機関を受診すれば、スムーズに治療も可能です。
病院に行く時間がとれない方や、病院での診察が恥ずかしいといった場合には、郵送検査がおすすめです。

クラミジア感染症について
クラミジア感染症は一度の性交渉で30~50%が感染感染に気がつかないままパートナーにうつしてしまうケースもあります
さらにクラミジアはのどにも感染するため性器以外の検査も一緒に行うことが大切です