- ①アレルギーの症状はないが検査してみたい場合は自費診療になる
- ②血液検査やパッチテストなどがある
- ③こまめな掃除や免疫力を保つことが予防になる
- ④子供や高齢者はアレルギーを発症しやすいためとくに注意が必要
今後の予防のためにも自分や家族がどんなアレルギーをもっているのか知りたい!そんな時にはアレルギー検査がおすすめです。今回のコラムでは、アレルギーを調べるにはどのような検査があるのか解説します。
アレルギー検査の種類と違い

◎病院で受けられる検査方法
アレルギーの症状があり治療の必要がある場合には、保険適用で検査を受けることができます。例えば、特異的IgE抗体検査は保険適用で5000円ほどのことが多いようです。
症状がないが検査を受けてみたい場合は自費診療になり、病院によって価格は変動します。
アレルギーに関連する検査は多くありますが、ここでは代表的なものを紹介します。
特異的IgE抗体検査 | 特定のアレルゲンに対するIgE抗体が血液中にあるか調べる検査です。 それぞれのアレルゲンに対するIgE抗体の測定値がクラス0〜6の7段階評価として結果がでます。クラス0が陰性、クラス1が疑陽性、クラス2〜6が陽性になります。IgE抗体は症状がなくても検出されることがあります。血液検査で陽性であっても、症状がなければアレルギーとは確定できませんので注意が必要です。 |
皮膚プリックテスト | 皮膚にアレルゲンの入った液を垂らし、専用の針で刺してアレルギー反応がでるか調べる検査です。針を刺してから15〜20分後に出現した膨疹の大きさで結果を判定します。 |
パッチテスト | 金属アレルギーなどの接触性皮膚炎をおこすアレルギーを調べる検査です。 アレルゲンを背中(腕の場合もあります)に48時間貼り付けて、アレルギー反応による炎症がおきているかを判定します。判定は48時間後、72時間後、1週間後の三回実施することが多いようです。 |
食物経口負荷試験 | アレルギーが疑われる食べ物を食べて症状が出るかを調べる検査です。アナフィラキシーを含めた重篤な症状が出る危険性があるため十分な準備が必要で、実施できる病院が限られています。 |
アレルギーとのつき合い方と予防のポイント

◎アレルギーの治療
アレルギーの治療は大きく3つに分かれています。
症状に対する治療
アレルギーの症状を抑えるための治療です。
アレルギー性鼻炎の鼻水・くしゃみやアトピー性皮膚炎のかゆみに対する抗ヒスタミン剤、気管支喘息の喘息発作時の気管支拡張剤、食物アレルギーやハチ中毒などのアナフィラキシーに対するアドレナリン自己注射などがこちらに該当します。
炎症を抑える治療
アレルギー性鼻炎では鼻に、アトピー性皮膚炎では皮膚に炎症が起きて症状が出ています。それらの炎症を抑えるために副腎皮質ホルモンの薬である、ステロイド薬を使用します。副作用が心配されがちなステロイド薬ですが、吸入薬や外用薬、鼻噴霧用薬など、アレルギーで炎症の起きている所にだけ使用することにより、全身的な副作用が現れるリスクを軽減することができます。
免疫療法
アレルギーの原因となるアレルギー物質をごく少量ずつ投与して、アレルギー物質に体が反応しないようにする治療法で、根治を目指す治療になります。
主にダニとスギ花粉に対するもので注射製剤と舌下製剤があります。この治療は即効性のあるものではなく通院が必要で、3〜5年と長期間に渡ります。
◎日常生活でできるアレルゲン対策
何に対してアレルギーを持っているのか分かったら、アレルゲンを避けるようにしましょう。ダニやカビなどは湿度が60%をこえると増殖スピードがあがります。高温多湿を避け、こまめに掃除をして室内を清潔に保つことが大事です。
また、アレルギーは免疫力の乱れも原因のひとつになります。十分な睡眠、バランスの良い食事、適度な運動など生活習慣を整え、ストレスをため過ぎないことも大切です。
ダニ | ・室内を清潔に保ち、こまめに掃除機をかける |
カビ ハウスダスト |
・ダニが好む布製ソファーやじゅうたんの使用を避ける ・寝具を清掃、こまめにリネンを交換する ・エアコンのフィルターをこまめに掃除する ・カーテンは薄手のものを使用し、定期的に洗う |
花粉 |
・花粉飛散情報をチェックしマスクや眼鏡の着用、外出を控える ・帰宅時に髪や服をよく払い、花粉を家の中に持ち込まない ・飛散が多い時は洗濯物や布団の外干しを控える |
食べ物 |
・必要最小限の除去食 ・食品表示を確認し誤食に注意する ・誤食時の対策として、アドレナリン注射薬や内服薬の処方を受けておく |
◎子ども・高齢者への注意事項
子どものアレルギーはアレルギーマーチに注意が必要です。
乳児期のアトピー性皮膚炎を始まりとして、成長するにつれて食物アレルギー、気管支喘息、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎といろいろなアレルギー症状が出ることをアレルギーマーチと呼んでいます。アレルギーマーチのきっかけは皮膚からのアレルゲンの取り込みと考えられていますので、乳児期からスキンケア(清潔と保湿)を行うことにより侵入するアレルゲンを減らしアレルギーマーチを起こりにくくすることができます。
高齢者のアレルギー
高齢になり免疫力が低下しアレルギーを発症する場合があります。
気管支喘息で呼吸状態が悪くなったり、持病が悪化するリスクがありますので、生活習慣を整えてアレルゲン対策をすることが大事になります。
アレルギーかもしれないと感じたら、医療機関で検査を受けてみませんか?正しい知識と早めの対策で、アレルギーと上手に付き合っていきましょう。
参考文献)リウマチ・アレルギー対策 |厚生労働省https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/ryumachi/index.html
また免疫力も重要なため日頃から生活習慣を整えるようにしましょう