- ①中性脂肪は体を動かすエネルギー源
- ②生活習慣の乱れが主な原因で増加する
- ③中性脂肪が増えると動脈硬化や高血圧などを発症する
- ④改善するには食事や運動など生活習慣の見直しが必要
中性脂肪が高くなってしまった原因や、放置するリスク、数値を下げるためにできること、検査の頻度や自宅でのチェック方法までわかりやすく解説します。
中性脂肪の基礎知識
◎中性脂肪とは何か?基準値と体内での役割
中性脂肪(トリグリセリド:TG)とは、体内で最も多い脂肪成分です。
食事として摂取した炭水化物(糖質)や脂質、蛋白質をもとに、体内で合成・生成されます。
中性脂肪は体を動かすためのエネルギー源として使用されます。ほかにも、体温維持、脂溶性ビタミンの吸収、内臓の保護などに役立っています。
使われずに余った中性脂肪は体内に蓄積して、肥満やメタボリックシンドローム、動脈硬化、糖尿病などのリスクが高まります。
◎中性脂肪の正常値
中性脂肪の基準値は、検査機関や医療機関によって異なる場合があります。
日本臨床検査標準協議会(JCCLS)では、共用基準範囲を以下のとおりに設定しています。
| 男性 | 女性 |
| 40~234mg/dL | 30~117mg/dL |
日本人間ドック・予防医療学会の中性脂肪の判定区分は以下の通りになります。
| 正常値 | 軽度異常 | 要再検査・生活改善 | 要精密検査・治療 |
| 30~149mg/dL | 150-299mg/dL | 300-499mg/dL | 29以下,500mg/dL以上 |
[注1]公益社団法人 日本人間ドック・予防医療学会 2025年度判定区分表 より抜粋
中性脂肪が高くなる原因と今後のリスク
◎中性脂肪が増える主な原因
中性脂肪は、飲み過ぎ、食べ過ぎ、運動不足 という、生活習慣の乱れが主な原因で増加します。
・食べ過ぎ
摂取しすぎてエネルギーとして使用されなかった脂質は、中性脂肪として体内に蓄積されます。炭水化物や糖分の過剰摂取も、エネルギーとして使用されず余ったものは中性脂肪に変換されます。
・アルコールの飲み過ぎ
アルコールは中性脂肪の生成を促進させます。
・運動不足
摂取したエネルギーが消費されないと、中性脂肪として体内に蓄えられます。
・加齢による代謝の低下
基礎代謝が落ちても、若い頃と同じ生活をしていると中性脂肪が蓄積されやすくなります。
・遺伝的要因
家族性高中性脂肪血症など、中性脂肪が高くなる遺伝的疾患があります。
・その他
ストレス、睡眠不足なども影響があります。
◎中性脂肪が高い状態だと発症する病
動脈硬化・狭心症・心筋梗塞・脳梗塞など
中性脂肪が増えると、血液がドロドロになり、動脈硬化が進行したり、血管が詰まりやすくなります。
糖尿病・高血圧・メタボリックシンドロームなど
エネルギーとして使われなかった中性脂肪は、皮下脂肪や内臓脂肪として体内に蓄積していきます。内臓脂肪細胞は、ホルモンに似た物質を分泌し、これらが生活習慣病のリスクを増大させます。
脂肪肝
肝臓に中性脂肪が蓄積されると脂肪肝となります。進行すると肝炎・肝硬変・肝がんになることがあります。
急性膵炎
極端に中性脂肪が高くなると、リパーゼという酵素で分解された中性脂肪が遊離脂肪酸となり、カルシウムと結合することにより膵臓内で微小血栓が作られ血流が悪くなります。その結果、膵臓に炎症が起きます。
中性脂肪を下げる生活習慣の改善法
◎食事の見直し
中性脂肪を下げるためには、『摂取エネルギー』『糖質』『アルコール』の3つについて、適正化を図ることが大切です。
摂取エネルギー(カロリー)の適正化
消費カロリーよりも摂取カロリーが多いと、余ったエネルギーは体脂肪として蓄積され、肥満に繋がります。
BMI25を超える場合は、自身の適正な摂取カロリーを把握して、食生活を改善しましょう。体重を減らすことで血中の中性脂肪値を下げることが期待できます。
摂取カロリーの適正値の算出には、身長や体重、年齢や日常の活動量など様々な要因が関わるので、医師や管理栄養士に相談することをおすすめします。
体重を減らすための極端な食事制限は、別の問題を引き起こしかねないため、自己判断による実施はおすすめしません。
糖質摂取量の適正化
糖質とは、砂糖などの糖分や米などの炭水化物を指します。
糖質は体に必要なエネルギー源ですが、摂り過ぎるとエネルギーとして使われなかった分が中性脂肪として体に蓄えられますので気を付ける必要があります。
糖質は全体の摂取エネルギーの50-60%とする[注2]ことが推奨されています。
アルコール摂取量の適正化
過度な飲酒は中性脂肪を増やすだけではなく、肝細胞を傷つけたりほかの疾患のリスクも高めるため、適切な飲酒頻度と飲酒量を守って嗜むことが大事です。
食生活のスタイルとして『地中海食』がおすすめ
地中海食の特徴としては、オリーブオイル、魚介類(特に青魚に豊富なEPA・DHA)、ナッツ類、豆類、野菜・果物、全粒穀物などが多めであることです。
これらの食生活を意識することで、中性脂肪が低下したという研究があります。[注3]
◎運動と日常生活の改善
中性脂肪を下げるためには「有酸素運動」が効果的です。
息切れをせず、喋りながら続けられる程度の負荷が良く、ウォーキングや踏み台昇降、自転車などが良いでしょう。このような運動を一日30分以上、週3回以上を目安に、週150分程度[注2]実施することが推奨されています。
日常生活では、一駅歩く、なるべく階段を使う、床の拭き掃除をする、洗車する、こどもとからだを動かして遊ぶ、などで消費カロリーを増やすことができます。
◎中性脂肪対策に人気のサプリとは?
EPA・DHA(オメガ-3脂肪酸)は中性脂肪を減らす科学的根拠を持つ成分です。
これらを含むサプリメントを摂取すると、中性脂肪が減少する可能性があります。アメリカ心臓協会(AHA)の研究では、1日あたり4gのEPA単独もしくはEPA+DHAの摂取で、高トリグリセリド値の患者の中性脂肪が20-30%減少したことが報告[注4]されています。
サプリメントを選ぶ際は、EPA・DHAを含む商品を選択すると良いでしょう。
ただし、サプリメントの摂取と同時に、食生活や日常生活の改善を並行して行うことが大事です。
高TG状態では、DHA摂取がLDLコレステロールを上昇させる研究報告もある[注4]ため、サプリメントは補助的使用とし、中性脂肪が異常値を示している場合は、速やかに医師の診察と治療を受けましょう。
[注3]出典)The Effect of Dietary Interventions on Hypertriglyceridemia: From Public Health to Molecular Nutrition Evidencehttps://www.mdpi.com/2072-6643/14/5/1104
[注4]出典)Omega-3 Fatty Acids for the Management of Hypertriglyceridemiahttps://www.ahajournals.org/doi/pdf/10.1161/CIR.0000000000000709
中性脂肪の検査は定期的にするべき?
◎検査の目安と頻度は?
中性脂肪の検査頻度は、持病の有無や検査値の高低でも変わってきます。とくに健康に異常がない場合、年に一度の検査で十分でしょう。
中性脂肪値は、健康保険組合や自治体で実施される健診項目のひとつとなっており、年に1回か2回の定期健診が推奨されています。中性脂肪値がやや高めな人は、食事や生活習慣の改善効果をみるために3〜6ヶ月に一度の検査が良いでしょう。
高トリグリセライド血症や脂質異常症で治療を受けている人は、治療の評価判定のため、医療機関にて2〜3ヶ月に一度の採血を行ってください。
◎自宅でできる郵送検査という選択肢
中性脂肪は、自宅にいながら検査キットを購入して調べることができます。自分の都合の良いタイミングで実施でき、誰かと対面することなく検査完了できます。
GMEでは、お電話やWEBでご注文が可能で、当日15時までの受付で即日発送、一部地域を除いて翌日配送されます。検査キットが届いたら、お好きなタイミングで検体を採取し、返信用封筒に入れてポストに投函するだけです。
365日検査を行っているため、GMEに検体到着後、2〜4日以内に結果を確認していただけます。検査結果はインターネット・お電話での確認が可能です。
定期的に中性脂肪を測定することは、病気予防の意識を高めるだけでなく、病気の早期発見に役立ち、速やかに治療を開始することで病気の悪化や合併症を防ぐことが可能となります。
GMEの自宅でできる中性脂肪を含む脂質検査はこちら
メタボチェッカー https://healthcheck.gme.co.jp/kit-id2020.html
まるごと健診チェッカー https://healthcheck.gme.co.jp/kit-id2000.html
中性脂肪の改善は日常から
中性脂肪の変化は、自身の体の変化として自覚症状を感じることはあまりありません。
しかし、中性脂肪の高値が続くことで重大な疾患を発症することがあります。
数値の変化を早めのチェックで気づくことができれば、ちょっとした食生活の見直しや運動習慣の追加といった小さな改善で、将来の健康を守る大きな力になります。継続的な検査と日々の工夫を心がけることが、生活習慣病の予防と健康維持の鍵となります。
定期的な検査と無理のない生活習慣の見直しで将来の健康を守りましょう

