性器ヘルペスについて感染経路や症状、治療方法から予防などを詳しく解説します。

性器ヘルペスとは

性器ヘルペスとは

性器ヘルペスは、単純ヘルペスウイルス(HSV)1型(HSV-1)または2型(HSV-2)の感染によって、性器に浅い潰瘍性または水疱性病変を形成する性感染症です。

HSVは、性器に感染すると神経を伝わって上行し、主に腰仙髄神経節などに潜伏感染します。潜伏感染したHSVは、何らかの刺激によって再活性化され、神経を伝わって下行し、再び皮膚や粘膜に現れて病変を形成します。

発症には、HSVに初めて感染したときと、すでに潜伏感染していたHSVの再活性化によるときとの2種類があります。

一般に、前者は病巣が広範囲で症状が強く、発熱などの全身症状を伴うことが多いですが、後者は症状が軽く、全身症状を伴うことは少ないです。

初めて症状の現れた場合を「初発」といい、初めて感染した場合には「初感染」と呼んで区別します。感染したときは無症状であっても、全身的あるいは局所的な免疫能が抑制されたために潜伏していたHSVが再活性化され、症状が初めて出現する場合があり、これを「非初感染初発」と呼びます。さらに初発ののち症状の出現がしばしば繰り返されることが多く、この場合は「再発」あるいは「回帰発症」と呼びます。

感染経路

主な感染経路

性的接触
性行為によって単純ヘルペスウイルスに感染することが原因です。口唇に感染した単純ヘルペスウイルスが、オーラルセックスにより性器に感染する場合もあります。

感染してすぐに症状が出る場合と、感染した時は症状が出ずに、しばらく経ってから症状が出る場合があります。そのため、感染源となった性行為と発症の時期がずれる事があります。

症状と経過

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男性
初発

初感染初発

潜伏期間 : 2~10日間

  • ・性器のかゆみや違和感
  • ・直径1~2mmの複数の水疱ができる
  • ・水疱が破れて、痛みを伴う円形の浅い潰瘍ができる
  • ・鼠径リンパ節腫脹
  • ・尿道分泌物
  • ・発熱を伴うこともある

非初感染初発

初感染の場合よりも症状は軽いことが多く、治癒までの期間も短いですが、免疫不全者や高齢者では症状が重いです。

再発

性器ヘルペスは再発することが多く、再発時には、初感染時とほぼ同じに部位に、または殿部や大腿部に、水疱あるいは浅い潰瘍を形成しますが、症状は軽く、治癒までの期間も1週間以内と短いです。
また、免疫不全患者では、深い潰瘍を形成し、難治性となります。
病変の出現と同時に、全身倦怠感、下肢の違和感などが1週間程度続くこともあります。

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女性
初発

初感染初発

潜伏期間 : 2~10日間

  • ・大陰唇や小陰唇から、膣前庭部、会陰部にかけて、浅い潰瘍や水疱が多発する
  • ・子宮頸管や膀胱に浅い潰瘍や水疱ができる
  • ・強い疼痛(排尿困難や歩行困難になることもある)
  • ・鼠径リンパ節の腫脹と圧痛
  • ・神経麻痺による便秘
  • ・38℃以上の発熱を伴うこともある

非初感染初発

初感染の場合よりも症状は軽いことが多く、治癒までの期間も短いですが、免疫不全者や高齢者では症状が重いです。

再発

再発時の症状は軽く、性器または殿部や大腿部に小さい潰瘍または水疱を1~数個形成するだけのことが多いです。
再発する前に、外陰部の違和感や、大腿から下肢にかけて神経痛様の疼痛などの前兆を訴えることもあります。
再発の頻度は、月に2~3回から、年に1~2回とバラツキが大きいのが特徴です。

検査について

検査を受けられる機関
  • ● 病院・医療機関(内科、皮膚科、泌尿器科、婦人科)
検査の種類と方法

性器ヘルペスの検査は、『視診』と『ウイルス検査』または『血液検査』を行います。

患部の水疱などの病変部から検体を採取してウイルスそのもの(抗原)を調べる検査と、採血して抗体検査を行うことにより血液中の単純ヘルペスウイルスに対する抗体を調べるものがあります。

予防

性器ヘルペスは、性行為のパートナーの数が多いほど感染機会が多くなります。また、アトピー性皮膚炎患者などバリヤー機能が低下している人や外陰部に皮膚炎などの病変を持つ人は性器ヘルペスに感染しやすいです。

性的接触からの予防 性交の際は、最初から最後までコンドームを使用する。再発の場合、肛門や殿部などにも病変が起こるので、コンドームの使用だけでは完全に防ぐことができません。
母子感染からの予防 現在妊婦の抗ヘルペスウイルス薬の服用は可能ですが、長期追跡による胎児への安全性が確認できておりません。
性器にヘルペス性の病変がある場合は、帝王切開での分娩をすることが勧められています。

治療法

性器ヘルペスは初感染初発の場合、2〜3週間で自然治癒しますが、単純ヘルペスウイルスの増殖を抑制する抗ヘルペスウイルス薬を使用すると、治癒までの期間を短くすることができます。

  • ● 初発

抗ヘルペスウイルス薬の経口投与を5~10日、重症例では7~10日間程点滴を行います。
現在の抗ヘルペスウイルス薬は、潜伏感染している単純ヘルペスウイルスを排除できません。したがって、抗ヘルペスウイルス薬で治療しても、再発を免れることはできません。

  • ● 再発

抗ヘルペスウイルス薬の経口投与を5日間行います。ただし、発症してから1日以内に服用を開始しないと有意な効果が得られないので注意が必要です。
また、再発の前駆症状である局所の違和感や神経痛様の疼痛があるときに本剤を服用すると、病変の出現を予防できることがあります。

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