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男性の梅毒症状について
男性が注意すべき梅毒の初期症状や検査・治療法

梅毒は近年、感染者数が増加している性感染症のひとつです

痛みのないしこりや発疹などの初期症状が現れることがありますが、自然に症状が消えることもあり、気づかないまま進行してしまうケースもあります。
この記事では、男性が注意したい梅毒の初期症状や検査・治療法についてわかりやすく解説します。

男性の梅毒患者数の推移

◎梅毒とは

梅毒とは、梅毒トレポネーマ(Treponema pallidum)という細菌に感染することで起こる性感染症です。
主に性行為(性器・口・肛門の接触)によって感染し、口の中に傷や病変がある場合は、キスやオーラルセックスでもうつることがあります。
感染すると、しこりや発疹などの症状が現れることがありますが、気づかないまま進行してしまうこともあります。放置すると、心臓や血管、神経などに影響が出ることもあるため、早めに治療を受けることが大切です。

◎近年の男性梅毒患者増加の実態

梅毒の感染者数は2021年以降、急激に増加しています。
男性では、20代〜50代と幅広い世代で感染者数が多く、2023年以降も高止まりの傾向にあります。[注1]
同性間での感染が多い時期もありましたが、近年では異性間での感染数が増加しています。[注2]

男性の梅毒症状の特徴

◎第1期 梅毒

感染が疑われる時点から3週間くらいから遅くても3ヶ月以内に症状が出ます。

初期硬結 性器周辺の皮膚、亀頭、陰茎、亀頭と陰茎の間、口、のど、肛門など梅毒が感染したところに症状が出る。
無痛性の硬いしこりのこと。
硬性下疳 性器周辺の皮膚、亀頭、陰茎、亀頭と陰茎の間、口、のど、肛門など梅毒が感染したところに症状が出る。
無痛性の潰瘍のこと。
リンパ節の腫れ 性器に感染した場合は鼠経リンパ節、口に感染した場合は首のリンパ節が無痛性で硬く触れられることが多い。

しこりや潰瘍、リンパ節の腫れはほとんどの場合が痛みを伴いませんが、人によっては痛みを感じることがあります。

◎第2期 梅毒

梅毒が血流に乗って全身へ広がることで、さまざまな症状が現れる段階です。感染が疑われる時点からおおむね1~3ヶ月後くらいに症状がでます。

全身症状 発熱、倦怠感など風邪のような症状がみられる。無痛性の全身性リンパ節腫脹を伴うことが多い。
梅毒性バラ疹 体幹を中心に全身に広がる。淡いピンク色の紅斑が出る。
数日から数週間で自然に消失する。
丘疹性梅毒疹
梅毒性乾癬(足の裏)
バラ疹のあとに、鮮紅色から赤茶色の丘疹が全身に出る。手のひらや足の裏にも出るのが特徴。足底などに角質の厚い乾癬様の皮疹が出る(梅毒性乾癬)。
扁平コンジローマ 肛門や陰部に平らなピンク色〜灰色の腫瘤ができる。
粘膜斑
梅毒性アンギーナ
口腔内や咽頭にびらん・白斑が生じる(粘膜斑)。咽頭では発赤・腫脹や咽頭炎様症状を呈する(梅毒性アンギーナ)。
脱毛 まばらに脱毛がみられることがある

これらの症状は、数週間から数か月で自然に軽快することがありますが、治癒したわけではなく、未治療の場合は症状の再燃を繰り返したり、無症候の潜伏梅毒へ移行します。その後、長期間を経て心血管系や神経系に障害をきたす第3期梅毒へ進展する可能性があります。[注3]

[注3]出典)日本性感染症学会 「性感染症診断・治療ガイドライン2020」
[注3]出典)GME医学検査研究所 梅毒とは?症状や検査方法、予防、治療法について https://www.gme.co.jp/disease-list/syphilis/
[注3]出典)病気がみえるvol.6 免疫・膠原病・感染症

男性の梅毒セルフチェック

◎自分で見分ける症状のポイント

梅毒は、「気づきにくさ」が大きな特徴の一つです。痛みや強い不調が出にくいため、異変があっても見過ごされやすく、結果として発見が遅れるケースが少なくありません。
特に初期では以下のような変化が見られることがあります。

・性器やその周辺にできる小さなしこりや潰瘍
・ 鼠径リンパ節の腫れ
・手のひら、足の裏、体に赤い発疹

リスクのある行為があった場合にはこれらの症状が出ていないか、確認することが大切です。

◎無症状でも感染しているケース

梅毒には「無症状の期間」が存在します。
また、感染していても長期間まったく症状が現れない場合があり、自分では気づかないまま過ごしているケースもあります。この間も体内では病気が進行する可能性があり、またパートナーへ感染させてしまうリスクもあります。
つまり、「症状がない=感染していない」とは言えません。
梅毒は見た目だけで判断することが難しく、確定診断には血液検査が必要です。

検査を受けるタイミングと検査方法

◎検査におすすめのタイミング

感染の可能性がある時点からすぐに正確な結果が出るわけではありません。
梅毒の検査は体内で作られた抗体を検出しており、抗体が作られるまでには一定の期間が必要です。
一般的に、TP抗体検査は 4〜6週間、RPR検査は 2〜4週間程で抗体が検出できるようになります。そのため、感染から4週間を過ぎれば検査自体は可能とされています。
ただし、抗体ができるまでの期間には個人差があり、4週間を過ぎたからといって必ずしも検出できるとは限りません。早い段階での検査結果が陰性だった場合でも、感染を完全に否定できない点には注意が必要です。

より確実に感染の有無を確認するためには、感染の機会から2〜3か月ほど経過したタイミングでの検査が推奨されます。特に確実な結果を求める場合は、3か月以上経過してからの検査が一般的に信頼できるとされています。

なお、梅毒を疑う症状が出ている場合やパートナーの感染が判明した場合は、検査時期を待たずに早めに医療機関を受診して医師の診察を受けましょう。

◎病院・郵送・保健所で受けられる梅毒検査

梅毒検査は、医療機関・郵送検査・保健所のいずれでも血液検査が一般的です。それぞれ特徴が異なるため、自分に合った方法を選びましょう。

  • ■病院・クリニック

    内科、泌尿器科、皮膚科、性病科などで受診できます。
    結果は即日〜数日で分かることが多く、症状がある場合はそのまま診察・治療に進めるのが大きなメリットです。医師に直接相談でき、他の性感染症の検査も含めて総合的に対応してもらえます。
    一方で、無症状の場合は自由診療になることや、匿名で受けられない点には注意が必要です。

  • ■郵送検査キット

    自宅で血液を採取し、検査機関へ送ることで検査を受ける方法です。匿名で利用できる場合があり、結果はWEBやメールで確認できます。

    誰にも知られずに検査でき、忙しい人でも利用しやすい点がメリットです。
    なお、検査キットはTP抗体検査のみのものもありますが、TP抗体検査とRPR検査の両方に対応したものを選ぶとより安心です。陽性の場合は医療機関の受診が必要になります。

  • ■保健所

    保健所では無料または低額で検査を受けられ、原則匿名での利用が可能です。
    費用を抑えられる点がメリットですが、実施日時が限られており、予約制の場合が多いため事前の確認が必要です。また、陽性の場合は医療機関の受診が必要となります。

治療方法

◎早期梅毒(感染初期)の治療(目安:2〜4週間程度)

早期梅毒は、感染後およそ1年未満の段階で、しこりや発疹などの症状がみられます。
治療は主にペニシリン系抗菌薬が用いられます。治療方法は大きく以下の二つです。

  • 内服治療(飲み薬)

    アモキシシリンなどの抗菌薬を一定期間服用します。ペニシリンアレルギーがある方には、ミノサイクリンなど別の抗菌薬が使用されます。

  • 注射治療(筋肉注射)

    ベンジルペニシリンベンザチンの筋肉注射を行います。1回の投与で治療が完結する場合もあり、服薬管理が難しい方にも適しています。
    適切に治療を行えば高い確率で改善が期待できます。
    ペニシリンアレルギーがある場合は、使用できません。

◎後期梅毒の治療(目安:8~12週間)

後期梅毒は、感染後1年以上が経過した段階を指し、無症状のまま経過することもあります。治療が行われない状態が続くと、まれに皮膚や臓器、神経などに影響が及ぶことがあります。
治療には、ペニシリン系抗菌薬をより長期間にわたって使用することが一般的です。
治療は早期梅毒と同様に抗菌薬が中心ですが、治療期間が長くなる傾向があります。また、臓器への影響がある場合は、それに応じた経過観察や追加の検査が行われます。

◎神経梅毒・心血管梅毒の治療

神経梅毒は、梅毒トレポネーマが中枢神経系に影響を及ぼした状態で、頭痛やしびれ、意識障害などの症状がみられることがあります。心血管梅毒では、心臓や血管に影響が及ぶことがあります。
これらの場合は、入院のうえ高用量の抗菌薬による治療が行われ、主にペニシリン系抗菌薬の点滴投与を一定期間継続します。治療後も、症状や臓器への影響について経過観察が必要です。

◎治るまでのタイムラインなど

感染から1年以内の早期梅毒では比較的短期間の治療で済むことが多い一方、1年以上経過した後期梅毒ではやや長い治療期間が必要になることがあります。
治療が終わった後も、血液検査で菌に対する反応(抗体価)が低下しているかを定期的に確認します。この経過観察は数ヶ月から1年以上続くことがあります。
症状の改善だけでなく、検査結果が安定して低下し、再発や再感染がないことを確認できた時点で、医学的に「治癒」と判断されます。

出典)日本性感染症学会 「性感染症診断・治療ガイドライン2020」

男性ができる感染予防法

◎風俗利用時のリスクの理解

梅毒の感染リスクは、行為内容や予防意識によって大きく変わります。完全にリスクをゼロにすることは難しいものの、適切な対策により大幅に低減することが可能です。

主な予防策としては、以下が挙げられます。
・コンドームを正しく使用する
・相手の性器や口まわりにしこりや発疹、ただれなどの異常がないか確認する
・性行為後、数週間は皮膚にしこりや発疹が出ていないか観察する
・定期的な性感染症検査を受ける

◎コンドームの有効性と注意点 など

コンドームの使用は、性器同士の直接接触を防ぐことができるので有効な手段です。ただし、感染を防ぐことができないケースとして以下のようなケースがあります。
・コンドームで覆われていない部位(陰嚢・太もも・口周りなど)からの感染
・オーラルセックスやキスによる感染
・コンドームを重ねて使用するなど誤った使用法により破損やズレがある場合

コンドームで感染を完全に防ぐことはできませんが、使用することにより感染リスクを大きく低下させることができます。
そのため使用時には、以下のような基本的な使用方法を徹底することが重要です。

・サイズの合ったコンドームを選ぶ
・性行為の最初から最後まで正しく着用する
・破れ・ズレがないか確認する
・毎回新しいものを使用する

まとめ

梅毒は、早期に発見して適切に治療すれば完治が可能な感染症です。しかし、初期には症状が軽かったり、気づかないまま進行してしまうことも少なくありません。
だからこそ、コンドームの適切な使用など日常的な予防を心がけるとともに、少しでも不安があれば早めに検査を受けることが大切です。
自分自身だけでなく、大切な人を守るためにも、正しい知識をもとに冷静に行動していきましょう。

男性の梅毒について
梅毒は初期症状が軽く自然に消えることもあるため気づかないまま進行してしまうケースもあります
不安がある場合は早めに検査を受けることが大切です